スマートフォン 1 台がアクセスポイントになり、約300m 先のカメラ映像を受信
株式会社SHIMOHA は、京セラ株式会社から Wi-Fi HaLow™(IEEE 802.11ah)に対応したスマートフォン「DuraForce EX2(KC-S704)」のデモ機の貸出を受け、当社の Wi-Fi HaLow 対応 IoT カメラ「SHI-Cam-AH」およびアプリ「SHI-Cam-AH Live(Android 版)」との組み合わせを検証しました。 スマートフォンの Wi-Fi HaLow アクセスポイント機能にカメラを直接つなぐ構成で、当社の接続テスト仕様書に基づく結合テストで不合格はありませんでした。 また、京都市内の街路での長距離映像伝送テストでは、約300m 離れた地点でカメラ映像を安定して受信できることを確認しました。
1. 検証の背景
Wi-Fi HaLow は 920MHz 帯を使う Wi-Fi 規格で、従来の Wi-Fi より遠くまで電波が届き、障害物にも強いことが特長です。 DuraForce EX2(KC-S704)は、国内スマートフォンとして初めて Wi-Fi HaLow に対応した京セラ株式会社の高耐久スマートフォンです[1]。
SHI-Cam-AH は Wi-Fi HaLow でつながる IoT カメラで、これまで専用のアクセスポイントを介して映像を届けてきました。 DuraForce EX2 のアクセスポイント機能を使えば、現場に持ち込んだスマートフォン 1 台でカメラの映像を確認できます。 携帯電話の電波が届きにくい場所でも使える構成になるかを確かめるため、今回の検証を行いました。
2. 検証構成
| スマートフォン | 京セラ DuraForce EX2(KC-S704)デモ機。Wi-Fi HaLow アクセスポイント機能を使用(セキュリティ WPA3-Personal、チャネル設定「自動」)。SIM カードなし。 |
|---|---|
| カメラ | SHI-Cam-AH(当社製 Wi-Fi HaLow 対応 IoT カメラ)。スマートフォンのアクセスポイントに Wi-Fi HaLow で接続。 |
| アプリ | SHI-Cam-AH Live(Android 版)を DuraForce EX2 にインストールして使用。 |
| 通信回線 | 使用せず(インターネット接続なし)。スマートフォンとカメラの間を Wi-Fi HaLow だけで結んでいます。 |
3. 結合テスト:カメラ・アプリとの接続
当社の Wi-Fi HaLow 接続テスト仕様書に沿って、DuraForce EX2 上の SHI-Cam-AH Live とカメラの組み合わせで結合テストを行いました。 結果は 不合格 0 件 でした。
| 確認した主な項目 | 結果 |
|---|---|
| アクセスポイントへの接続とカメラの自動検出(ボタン操作から約3秒で接続) | 合格 |
| 暗号化通信(TLS)と認証、権限ごとのアクセス制御 | 合格 |
| ライブ映像の表示、30分以上の連続視聴(途切れなし) | 合格 |
| 静止画(スナップ)の取得・保存、解像度の切替 | 合格 |
| カメラ設定の読み出し、時刻同期、IP アドレスの手動入力での接続 | 合格 |
| ライブ中に設定確認などの操作を並行して行っても映像が止まらないこと | 合格 |
4. 長距離映像伝送テスト
カメラを当社が入居する西陣産業創造會舘(京都市上京区、油小路中立売の交差点)の敷地内に設置し、DuraForce EX2 を持って油小路通を南へ歩きながら、京セラ株式会社が示す実用通信距離の上限(約300m)[2]まで映像が受信できるか確かめました。
テスト条件
| 実施日 | 2026年10月25日 |
|---|---|
| 場所 | 京都市上京区 油小路通(油小路中立売 〜 油小路下長者町の少し南)。両側に建物が並ぶ市街地の街路です。 |
| カメラ | 西陣産業創造會舘の敷地内(油小路中立売の交差点)、地上高 約2.5m のポールに設置 |
| スマートフォン | DuraForce EX2 を手に持ち、油小路通を南へ移動。Wi-Fi HaLow アクセスポイントのチャネル設定は「自動」 |
| 映像 | 解像度 720p。アプリの撮影間隔設定「Auto」(受信状況に応じて 1 / 5 / 10 秒を自動選択) |
| 距離の求め方 | カメラ設置位置(交差点)と受信地点の緯度・経度から算出した直線距離。交差点の位置は国土地理院の住所検索・逆ジオコーダで推定しており、±20m 程度の誤差を含みます。 |
結果
| カメラからの直線距離 | 受信の状態 |
|---|---|
| 約300m(油小路下長者町の交差点から少し南)まで | 安定して受信:5〜10 秒に 1 枚の間隔で映像を受信し、10 分間の連続受信で途切れなし |
図は模式図で、縮尺は正確ではありません。距離はカメラ設置位置(油小路中立売の交差点)からの直線距離です。
5. メーカー公表値との比較
DuraForce EX2 の Wi-Fi HaLow の通信距離・通信速度について、京セラ株式会社は次のように示しています。
| 項目 | 公表値 | 出典 |
|---|---|---|
| 実用通信距離 | 100〜300m 程度※ | [2] |
| 実用通信速度 | 100kbps〜400kbps 程度※ | [2] |
| 周波数・帯域幅 | 920MHz 帯、1 / 2 / 4MHz | [2] |
今回の結果(両側に建物が並ぶ市街地の街路で約300m)は、京セラ株式会社が示す実用通信距離の上限(約300m)に相当します。 撮影間隔を 5〜10 秒に 1 枚とすることで、限られた通信速度でも映像を安定して届けられることを確認しました。
※ 片方高さ約6mのところにAPを設置し、障害物がない環境で、バンド幅2MHzで測定。
通信距離は、端末どうしの見通し、建物や樹木などの障害物、周囲の電波環境、設置の高さによって大きく変わります。 本レポートの結果は当社の環境での一例であり、通信距離や性能を保証するものではありません。
6. まとめ
DuraForce EX2 のアクセスポイント機能に SHI-Cam-AH を直接つなぎ、スマートフォン 1 台・通信回線なしでカメラ映像を確認できることを確かめました。 結合テストで不合格はなく、市街地の街路で約300m の映像伝送も実証できました。 専用のアクセスポイントや SIM を用意しにくい現場でも、スマートフォンを持ち込むだけで映像を確認できる構成として、今後の提案に活用していきます。
出典・注記
- 京セラ株式会社「DuraForce EX2|高耐久スマートフォン|ビジネス向けモバイル端末(スマートフォン・タブレット・ケータイ)|京セラ」
「国内スマートフォンとして初めて「Wi-Fi HaLow™(IEEE 802.11ah)」に対応した高耐久スマートフォンです。」(国内において販売されている Android™ スマートフォンとして。2026年5月京セラ調べ)
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/phone/lineup/toughness/kc-s704/ - 京セラ株式会社「DuraForce EX2」製品紹介資料(ホワイトペーパー。[1] の製品ページからダウンロード)
Wi-Fi HaLow 機能の仕様:周波数 920MHz、実用通信距離 100〜300m程度※、実用通信速度 100kbps〜400kbps程度※、対応帯域幅 1MHz / 2MHz / 4MHz
※ 片方高さ約6mのところにAPを設置し、障害物がない環境で、バンド幅2MHzで測定。
本検証は、京セラ株式会社よりデモ機の貸出を受け、株式会社SHIMOHA が独自に実施したものです。本ページの掲載については京セラ株式会社の了承を得ています。
「DURA FORCE」は、京セラ株式会社の登録商標です。
Wi-Fi®、Wi-Fi HaLow™は、Wi-Fi Alliance®の商標または登録商標です。
その他の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。
SHI-Cam-AH について
配線も SIM も使わずに、電源の取りにくい現場から映像を届ける Wi-Fi HaLow 対応 IoT カメラです。導入や検証のご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

