導入例: 農業(作物の生育監視)

CASE STUDY 01 / 農業・スマート農業電源も通信環境もない山際の畑を、約100m離れた場所から見守る

カメラを付けたいのに、電気が来ていない。Wi-Fi も届かない。SIM は通信料が読めない―― この「3つの無い」に阻まれて監視をあきらめていた小規模農園で、 ソーラー+Wi-Fi HaLow™ の SHI-Cam-AH によるフィールドテストを実施しました。 山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックを迂回する経路で、約100m離れた母屋までの映像伝送を確認しています。

電源工事ゼロ SIM契約なし 約100m 受信を確認 2026年8月30日 実施
畑の畝際に立てたステンレスポールに、ソーラーパネルとWi-Fi HaLow対応IoTカメラ SHI-Cam-AH を設置した様子
畑の一角にポールを立て、ソーラーパネルと SHI-Cam-AH を設置。電源配線は一切ありません(2026年8月30日 撮影)。

30秒でわかる、この導入例

実施したフィールドテストの条件と結果を、うまくいった点・届かなかった点の両方そのまま掲載しています。

要点

  • 用途は畑の作物の生育監視。人が毎日見に行けない区画の様子を、離れた場所から確認したい。
  • 電気工事が引けない・既存 Wi-Fi が届かない・SIM の通信料が読めない、という3つの制約が導入の壁だった。
  • 本体 ¥29,800(税別)+ アプリ Basic ¥980/月(税別)という費用感が、導入判断の決め手のひとつになった。
  • ニーズは「山際の畑から約100m離れた場所で映像を受信したい」。
  • 結果:山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックを迂回する形で、約100m離れた母屋までの映像伝送に成功
  • つまり山際で遮蔽物がある条件でも、約100mの映像伝送が成立することを実証できた(詳細は下記)。
導入例の基本情報
導入先小規模農園(匿名)
導入目的農業/畑の作物の成長(生育状況)の監視
設置環境山際の畑。カメラ設置点と母屋の間に山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックがある
要件山際の畑から約100m離れた場所で映像を受信したい
使用機器SHI-Cam-AH / 専用ソーラーパネル / 設置用ポール(φ約34mm ステンレスポールに3穴ブラケットで固定)
受信側市販の Wi-Fi HaLow ルーター(母屋の畑側の窓際に設置)+ 映像表示アプリ「SHI-Cam-AH Live」(Androidアプリ版)
ルーター〜端末2.4GHz の屋内向け Wi-Fi で接続(ルーター ↔ Android 端末)
電源ソーラーパネル+内蔵 Li-Po バッテリー(商用電源・電気工事なし
通信Wi-Fi HaLow™(IEEE 802.11ah, Sub 1GHz帯)/ SIM・携帯回線の契約なし
実施日2026年8月30日
結果約100m離れた母屋で受信成功(遮蔽物を迂回する経路)。本検証は母屋方向の1経路のみで実施

受信までの経路

📷
SHI-Cam-AH 山際の畑
ソーラー+内蔵バッテリー
📡
市販の Wi-Fi HaLow
ルーター
母屋の畑側の窓際に設置
📱
Android 端末 SHI-Cam-AH Live
(Androidアプリ版)で表示

長距離を受け持つのは Wi-Fi HaLow の区間だけ。ルーターから先は、普段お使いの屋内 Wi-Fi と同じ扱いです。

「3つの無い」が、監視カメラの導入を止めていた

この農園が SHI-Cam-AH を選んだ理由は、機能の多さではなく、現場にある制約をそのまま越えられるかどうかでした。

課題 01

電源が無い
―― 電気工事は現実的でない

畑には商用電源が来ていません。カメラを設置するためだけに電線を引く工事は費用が高額になり、投資として見合いませんでした。

→ SHI-Cam-AH の答え:ソーラーパネル+内蔵 Li-Po バッテリーで自立稼働。電源工事そのものが不要になります。

課題 02

電波が届かない
―― 通常のWi-Fiでは無理

母屋側の一般的な Wi-Fi(2.4GHz / 5GHz)は、畑まで電波が届きません。中継機を並べる方法も、屋外・無電源では成立しません。

→ SHI-Cam-AH の答え:Wi-Fi HaLow™(Sub 1GHz帯)は波長が長く回り込みやすい。免許不要で、長距離側に振った無線規格です。

課題 03

コストが読めない
―― SIMの通信料が不安

SIM を挿すタイプのカメラは、映像を送るほど通信料が積み上がります。畑1区画のために毎月いくらかかるのか読めない点が不安でした。

→ SHI-Cam-AH の答え:本体 ¥29,800(税別)+ アプリ Basic ¥980/月(税別)。SIM 契約は不要で、月額が固定です。

設置の様子

工具はポールを立てるための道具のみ。配線工事も基礎工事もなく、畑の畝際にそのまま設置しています。

ソーラーパネルの受光面と、その下に取り付けられた SHI-Cam-AH を斜め上から見た様子
ソーラーパネルは受光を優先して南向き・仰角をつけて固定。カメラの向きとは独立して調整できます。
ブラケットに固定された SHI-Cam-AH 本体とアンテナのクローズアップ
撮影したい農作物が画角に入るようにカメラ向きを調整しています。本体は3穴ブラケット(φ3.8mm・P.C.D. φ55mm・120°間隔)でボール雲台に固定するため、向きは後から自由に振れます。

検証結果:山際でも、約100mの映像伝送を確認

カメラ設置点と母屋の間に山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックがある条件で実測した結果です。

約100mカメラ設置点 → 母屋
映像の伝送に成功

カメラを設置した畑と、受信側を置きたい母屋との間には山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックがあります。 この遮蔽物を迂回する形で電波を通し、約100m離れた母屋まで映像を伝送できることを確認しました。 要件どおりの運用が可能です。

※ 本検証は、カメラ設置点から母屋方向の1経路について実施したものです。他の方角・他の距離は検証していません。

この結果から言えること:距離ではなく「間に何があるか」で決まる

Wi-Fi HaLow™ は規格上、約1km の距離を通信できます。ただしこれは 見通し(送信機と受信機の間に電波を遮るものが無い状態)を前提とした値です。 送受信機器の間に電波を遮断するものがあると、規格上の距離に満たなくても通信できなくなります。

本事例が示したのは、山際で、送受信点の間に山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックがあるという条件下でも、 経路を選べば約100mの映像伝送が成立するということです。 逆に言えば、到達距離はカタログの数字ではなく設置点と受信点の間に何があるかで決まります。 同じ100mでも、遮蔽物の位置や迂回できる経路の有無によって結果は変わります。

そのため SHIMOHA では、お問い合わせの際にどのような場所へ設置したいかをヒアリングさせていただき、 設置位置・高さ・機器の向き・中継の要否についてアドバイスしています。 「うちの現場では届きますか?」というご相談を、購入前の段階でお気軽にお寄せください。

遮蔽物のある現場で、届かせるための3つの考え方

今回のテストで確認できた、Wi-Fi HaLow を屋外で使うときの実務的なポイントです。

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まず「見通しが取れるか」を確認する

建物・擁壁・法面・山の斜面・密集した樹木は、距離以上に効きます。設置点と受信点を結ぶ直線上に何があるかを、先に地図と現地で確認します。

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高さは、距離より効くことがある

ポールを数十cm〜1m 上げるだけで遮蔽物の上を越えられる場合があります。

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正面突破ではなく「迂回」で考える

今回 100m の受信に成功したのは、遮蔽物を正面から抜こうとせず迂回する経路を取ったためです。受信側の立ち位置を変えるだけで結果が変わります。

この導入例にかかる費用

初期費用と月額が固定なので、1区画あたりのコストが事前に計算できます。

SHI-Cam-AH 本体ソーラーパネル・ブラケット別売
¥29,800 (税別)/ 1台
SHI-Cam-AH Live BasicWi-Fi HaLow 経由のライブ確認(アプリ・ユーザー単位)
¥980 / 月(税別)
電気工事ソーラー+内蔵バッテリーで自立稼働するため
¥0
SIM・携帯回線の通信料Wi-Fi HaLow は免許不要・回線契約不要
¥0

※ 表示価格はすべて税別です。10台以上のロット割引・量産カスタム・請求書払いに対応しています。 ※ SHI-Cam-AH Live には無料の Free プラン(USB-C 直結でのライブ確認・スナップショット・設定・OTA 更新)もあります。 ※ 業務用のクラウド保管・フリート管理をご希望の場合は、別サービス「SHI-Cam-AH クラウド(Azure SaaS)」をご利用ください。

見に行かなくても、育ちがわかる

生育状況を離れた場所から確認できるようになれば、畑に足を運ぶ回数そのものを設計できるようになります。

フィールドテスト当日にこの畑で収穫されたゴーヤ・オクラ・カボチャ・ミニトマト
フィールドテスト当日、この畑で収穫された作物(2026年8月30日 撮影)。

畑の作物は、数日単位で状態が変わります。収穫の適期、水切れ、鳥獣による食害―― いずれも「行ってみて初めて気づく」ことが多く、その往復が小規模農園ほど負担になります。

離れた場所から生育状況を確認できれば、見に行くべき日を選べるようになります。 今回のフィールドテストは、その運用が電源工事も回線契約もなしに成立することを、実際の畑で確かめたものです。

※ 本ページに記載した受信可否は、この設置環境・この日の条件での実測結果です。到達距離は設置場所の地形・遮蔽物・設置高さによって変わります。

この導入例についてよくあるご質問

Wi-Fi HaLow は約1km届くと書いてありますが、実際にはどれくらい届きますか?
「約1km」は、送信機と受信機の間に電波を遮るものが無い見通し条件での値です。 実際の到達距離は、設置点と受信点の間に何があるかによって変わります。 本事例では、送受信点の間に山の裾野と高さ数メートルのコンクリートブロックがあるという条件でしたが、 これを迂回する経路を取ることで約100mの映像伝送を確認できました。 距離の数字だけで判断せず、現場ごとに「間に何があるか」を確認したうえで設置を設計することをおすすめします。
うちの現場でも届くかどうか、購入前に確認できますか?
はい。お問い合わせの際に、どのような場所に設置したいかをヒアリングさせていただければ、 設置位置・設置高さ・機器の向き・中継の要否についてアドバイスいたします。 設置予定地の地図や、設置点から受信点方向を撮影した写真をいただけると、より具体的にご回答できます。 お問い合わせはこちら
電気工事は本当に不要ですか? 夜間や曇天でも動きますか?
本事例では商用電源を引かず、ソーラーパネルと内蔵 Li-Po バッテリーのみで稼働しています。 日中に発電した電力をバッテリーに蓄え、夜間や日照の少ない日はその電力で動作します。 稼働可能な期間は日照条件・撮影頻度・設置環境によって変わるため、 常時録画ではなくタイムラプス/スケジュール撮像で運用すると余裕を持たせやすくなります。 屋内など日照が確保できない場所では USB-C 5V 給電も選択できます。
SIM(携帯回線)の契約は必要ですか? 月額はいくらかかりますか?
SIM や携帯回線の契約は不要です。Wi-Fi HaLow™ は免許不要の無線規格で、カメラと受信側の Wi-Fi HaLow ルーターが携帯網を介さず直接つながります。 本事例の月額費用は、映像をアプリで確認するための SHI-Cam-AH Live Basic ¥980/月(税別)のみで、 撮影枚数や通信量による従量課金はありません。
受信した映像はどこで見るのですか?
本事例では、母屋の畑側の窓際に置いた市販の Wi-Fi HaLow ルーターで畑のカメラからの電波を受け、 そのルーターと 2.4GHz の屋内向け Wi-Fi でつないだ Android 端末上で、専用アプリ 「SHI-Cam-AH Live」の Androidアプリ版を使って映像を表示しました。 長距離を受け持つのは Wi-Fi HaLow の区間だけで、そこから先は普段お使いの屋内 Wi-Fi と同じ扱いになります。 SHI-Cam-AH Live は Windows / Android に対応しており、設置作業中は USB-C 直結でライブ映像を見ながら画角を調整でき、 設置後は Wi-Fi HaLow 経由でライブ確認を行います(Wi-Fi HaLow 経由のライブ確認は Basic プランの機能です)。
設置に特別な工事や資格は必要ですか?
必要ありません。本事例ではステンレスポールを畑に立て、本体とソーラーパネルをブラケットで固定しています。 取付穴はカメラ本体・ソーラーパネルとも同じ3穴パターン(φ3.8mm、P.C.D. φ55mm、120°間隔)です。 SHI-Cam-AH は日本国内の技適認証を取得済みで、無線局の免許申請も不要です。

「うちの現場では届きますか?」から、ご相談ください。

電源が無い、Wi-Fi が届かない、SIM の通信料が読めない――その3つが揃った場所こそ、SHI-Cam-AH の出番です。 設置場所をお聞かせいただければ、届く/届かないの見立てと設置の工夫をお伝えします。

本ページに掲載した内容は、2026年8月30日に実施したフィールドテストにおける、当該設置環境での実測結果です。 本検証は、カメラ設置点から母屋方向の1経路について実施したものであり、他の方角・他の距離については検証しておりません。 Wi-Fi HaLow™ の到達距離は、設置場所の地形・遮蔽物・設置高さ・周囲の電波環境によって変わります。すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。 導入先の名称は、先方のご意向により掲載しておりません。表示価格はすべて税別です。
Wi-Fi HaLow™ は Wi-Fi Alliance の商標です。